北條 南蛮梨皮急須3

伝統工芸士、日本工芸会正会員、常滑市指定無形文化財。数々の陶芸賞を受賞し、平成28年には瑞宝単光章伝統工芸業務功労を受章。各種教育施設などで後進の指導にもあたる。南蛮土の質感そのままに、挽きっぱなしの美。
北條の工房はミカン畑から出土した古常滑の欠かけら片、先代が使ったケヤキ製の手回しろくろ、庭先に「えごろ」が山と積まれた様子は、さながら常滑焼の年代記のよう。夫婦二人三脚で三代続く北條陶房では、井戸水で土を濾こ す重労働を、ほんの一代前まで担っていた。床下のベルトで振動を抑える鍛冶屋製のろくろも現役だ。このろくろは、ろくろ目の美しさで知られる北條の腕を支えてきた。ろくろ目とは、水挽きした時に器の表面に現れる特有の筋のこと。きれいに削って加工を施すこともできるが、北條は、柔らかい常滑の土の質感そのままを感じてほしいと、あえて残すことが多い。見事な筋は、確かな腕の証。挽きっぱなしで世に問える急須を生み出す名人として、北條の名が知られる由縁。先人が遺した技術を絶やすことなく後世へ伝えたい逸品です。(急須の取っ手の先の形がラッパ型になっております。)

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